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【種類別に解説】ワインの最適な温度・保存方法とは?

【種類別に解説】ワインの最適な温度・保存方法とは?

ワインを飲みたいけれど、そう言えばワインって常温で飲むんだっけ、冷やすんだっけ?しかも一度開けたら、すぐ飲み切らなきゃいけないのかな…。そんな疑問が芽生え、やっぱりハードルが高いからやめておこうかな、とワインに差し出した手を引っ込めてしまう方が多くいらっしゃいますが、ちょっと待ってください!
せっかくワインにご興味を抱いていただきましたので、ソムリエのわたくしとしては、これらの「ワインは難しい」というイメージを形作る要素をサッと払拭して、ぜひ気軽にワインを、皆様に楽しんでいただきたいと常々考えております。
そこで今回は、ワインを美味しくいただくために最適な温度と、栓を開けてからの保存方法について簡単に、コツをお話しいたしますね。

そのワインは常温?それとも冷やす?

ワインは赤ワインや白ワインなど、それぞれの種類ごとにその魅力を存分に引き出せる温度帯があります。
なんとなく、白ワインなどの色味が淡いものは冷やして、赤ワインなど濃い色調のものは常温で飲むものではないか、というイメージをお持ちの方が多くいらっしゃるかもしれませんね。実はこちら、半分正解で、ちょっと惜しいのです。それぞれの種類ごとに少し詳しく見て参りましょう。

白ワイン おすすめの温度:6-14℃

ご家庭の冷蔵庫で冷やす時間の目安:3-5時間程度

想像以上にざっくりとしていて、「結局どれくらいがいいの!?」とお思いになりますよね。実はこの温度帯の幅は、同じ辛口白ワインの中でも、キリっと爽やかなタイプはしっかり目に冷やして、味わい豊かでふくよかな味わいのタイプはキンキンにまで冷やさず少しぬるめの方が良いですよ、という内訳になっているのです。すると、それぞれの個性が引き立つのです。

ではどの程度冷やせば、上記の温度になるのでしょうか。一般的な冷蔵庫ですと、常温のボトルはおよそ4-5時間程度でキンキンに冷えます。そのため、キリっと爽やかな風味がお好きな方は、さっぱりとしたタイプのワインをお出かけ前などに冷蔵庫に入れておくとよいでしょう。また、フルーティーで味わい豊かなタイプがお好きな方や、繊細な上級ワインを召し上がる方は、冷蔵庫に2-3時間入れておくと、程良い温度で引き出されたそのワインの特徴を堪能していただけるかと思います。

ちなみに、甘口のワインは温度が高いと味わいがぼやけてしまいがちなので、しっかり目に冷やすことがおすすめです。

赤ワイン おすすめの温度:16-20℃

ご家庭の冷蔵庫で冷やす時間の目安:30分-2時間程度

赤ワインは常温というイメージが根強いですが、この常温とは、日本よりもやや気温の低いワイン産地での常温。つまり、いつものお家の中よりも数度低い温度のことを指しているのです。一方日本で言う常温は、一般的には15-30℃程度までと言われていますが、年間を通して20-25℃程度が主ではないでしょうか。このように、「いつもの常温」では、赤ワインの魅力を十分に引き出すことが出来ないことが多くあります。

そこで、味わいが軽めのライトボディは、冷蔵庫に1時間から2時間ほど置いた、やや低めの16-18℃。濃く重めのフルボディならば、冷蔵庫に30分から1時間ほど入れて10分程常温で置いておき、18-20℃になった辺りがベストです。

ロゼワイン おすすめの温度:8-16℃

ご家庭の冷蔵庫で冷やす時間の目安:1-3時間程度

一般的に、白ワインは8-12℃、赤ワインは16-20℃程度が適温ですが、ロゼはちょうどその中間程の、8-16℃が適しています。淡い色味のロゼワインは、白ワイン同様冷蔵庫で3時間以上しっかり目に冷やすと、軽やかさや爽やかさが際立ちます。また濃い色合いのタイプは、軽く2時間ほど冷やす、といった具合で冷やし過ぎないくらいの温度でいただくと、力強い果実の風味がより鮮明に感じられ、かつ少し含まれている渋みは感じにくいのでおすすめです。

ちなみにワインは、温度が低いほど酸味がシャープに引き締まり、赤ワインに含まれる渋みもより鋭く感じられます。一方、温度が高いほど果実味や香りがふわりと広がりやすくなり、渋みも比較的やわらかく感じられるようになります。ワインを飲むために、適切な温度がどうしても細かく刻まれるのは、そのワインのタイプごとに、これらの温度によって変化する様々な要素の最適なバランスを狙うためなのです。

ワインを開けたら飲みきるべき?

基本的には、1本のボトルに750mlも入っているワイン。一度に飲み切れる気がせず、どうにも気軽に手を出せない方も多くいらっしゃるかと思います。

しかし、ワインは一度開けても数日間、さらに保存グッズを使えば1週間程度その美味しさを保つことが可能なのです!

ワインは空気に触れることでより香りが広がり、酸味や渋みがまるくなったりと、開けたての瞬間よりもどんどん飲み頃になるもの。ちなみに、ワインを飲む時にグラスをくるくると回すのは、グラス内でより空気に触れるワインの表面積を増やすために行っているのです。実は、格好いいだけの仕草ではなかったのですね。

しかしその香りも味わいも存分に発揮されたピークを過ぎると、たちまちあの素晴らしい香りや果実味はどこかへ消え去り、口に含むと大変酸っぱく、とても飲めるものではなくなってしまいます。そうなってしまっては、せっかくの素敵なワインが大変もったいないですよね。一般的な保存方法ごとに、詳しくお話いたしましょう。

一度開けたワインの保存方法 ①元々の栓を利用する

最もお手軽な方法が、こちら。スクリューキャップのワインであれば、そのまま元の形に戻すように再栓、コルクであれば、元々入っていた方とは逆向きにコルクを押し込むと、上手く蓋することが出来ます。この方法はこれ以上新しい空気と触れることを、ある程度防ぐことが出来ますが、瓶の中の空間に入っている空気とは触れ続けるので、通常どおり酸化が進みます。そのため、白ワインやロゼワインは開封後なるべくずっと冷蔵庫で保管し、赤ワインは冷やしすぎも良くありませんので、飲む前までは常温で、いずれのタイプもおよそ2-3日間は美味しく召し上がることが出来ます。

一度開けたワインの保存方法 ②ボトル内の空気を抜くアイテムを利用する

こちらは、専用の栓とポンプをセットで用います。栓をボトル口にはめ込み、その上にポンプをセットして空気を手動で抜くことで、瓶内を真空に近い状態に保ち、通常よりも長い期間美味しい状態を保てるという優れものです。基本的には、こちらの方法でしっかりと空気を抜いた状態で、上記と同様の温度下で白ワイン・ロゼワインならば4-5日間、濃いめの赤ワインなら一週間ほど、良い状態で保管できます。

お手軽な価格かつワイン売り場のグッズコーナーでもよく見られるので、ワインをよく召し上がる方にぜひともおすすめです。ちなみに飲食店でも広く活用されていますよ。

さらに長期間、3週間ほどワインの素晴らしい状態を保てる、「コラヴァン」という衝撃的な商品もありますが、専用の器具が何万円ものなかなか高額な価格であるため、一般のご家庭で使用するにはややハードルが高いものです。しかし長期間、しかも上記2通りの方法の比ではない程のクオリティで、抜栓済みのワインをキープできるので、ハイクラスのワインをご自宅で召し上がる機会が多い方は、導入を検討されるのも良いのではないでしょうか。

まとめ

さて、今回はワインを美味しくいただくためのコツを、温度と保存の観点からお話しして参りました。ぜひワインを召し上がる際には、そのお手元のボトルが魅力を存分に発揮できる温度に整えてから栓を開け、しっかりと保管して次の日以降もその美味しさをゆったりとご堪能くださいませ。

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