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スパークリングワインの「NV」って何?ヴィンテージワインとの違いについて解説!

スパークリングワインの「NV」って何?ヴィンテージワインとの違いについて解説!

スパークリングワインのラベルに、よく「NV」と書かれているのを目にしたことがあるのではないでしょうか。NVとは「ノン・ヴィンテージ」の略。NVの意味を知っていると、スパークリングワインの味わいやスタイルを知る手助けになります。この記事ではヴィンテージワインとの違いについても解説していきますので、「NVとは何か」を知って、自分で飲む時のヒントや、贈り物にワインを選ぶ際の参考にしてみてくださいね。

 

ヴィンテージとは「ブドウの収穫年」のこと

 

まず最初に、ワインの「ヴィンテージ」とは何かについて説明します。

ワインのヴィンテージとは「ブドウを収穫した年」のこと。2020年に収穫したブドウで造ったワインは「2020年ヴィンテージ」になります。

 

ワインはブドウの栽培や醸造を含め約1年間かけて造られるお酒なので、その年の気候条件によって毎年出来が違ってきます。ざっくり説明すると、暖かい年はブドウがよく熟して果実感のあるワインに、寒い年はブドウの熟度よりもシャープな酸味が際立ち、爽やかなワインに仕上がるといった具合です。

 

年による個性の違いを楽しむという意味で、同じ銘柄のワインでもヴィンテージ別に飲んでみると新たな発見があるかもしれません。

 

ヴィンテージワインとは「その年(ヴィンテージ)に収穫したブドウからできたワイン」

 

よく耳にする「ヴィンテージワイン」とは、その年(ヴィンテージ)に収穫したブドウでできたワインのこと。例えば「2020年ヴィンテージ」のワインと書いてあったなら、2020年に収穫したブドウを”法規定されている%以上使用したワイン”ということです。

 

法規定されている%って何?」と思った人がいるかもしれません。実は、ワイン法は各国によって規定が異なっていて、ヴィンテージワインを名乗るためにその年のワインを何%以上使わなければいけないかどうかは、国によって違うのです。

 

たとえばアメリカでは85%以上、チリは75%以上、日本は85%以上その年のワインを使っていれば、ヴィンテージ表記をすることができます。規定が非常に厳しいフランスのシャンパーニュでは、100%でないとヴィンテージを名乗ることはできません。

まれに古いワインのことを「ヴィンテージワイン」と呼ぶ場合もありますが、実はこの使い方はあまり正確ではありません。極端な例でいえば、今年2024年に収穫したブドウを使ったワインも「2024年ヴィンテージのワイン」と言えるからです。古いワインを指す場合でしたら、「オールドヴィンテージワイン」と言った方がよいでしょう。

 

NVとは「複数のヴィンテージワインがブレンドされた」ワイン

 

さて、ワインの「ヴィンテージ」とは何かが分かったところで、続いてスパークリングワインの「NV」(ノン・ヴィンテージ)について説明します。

 

NVとは、「複数のヴィンテージワインがブレンドされたスパークリングワイン」のこと。わかりやすく例を挙げると、2020年のワインだけで造られたのではなく、2020年と2019年と2015年をブレンドして造ったワインという意味。

複数の年のワインをブレンドすることによって得られる効果は、「ワインの品質を高く保つ」こと。ブドウは農作物ですから、年によっては酸っぱすぎる年、苦みが強く出すぎる年、甘さが強すぎる年、収穫量が少ない年・・・ひとつとしてまったく同じブドウが出来る年はありません。

 

同じ商品を買ったのに、去年と今年で全く味が違う!ということでは、商品になりませんよね。

商品として常に一定のクオリティや味わいを再現するために、ワインの醸造家たちが熟練の技術で複数年のワインをブレンドしたものが、NVのワインなのです。

 

ですのでNVとヴィンテージワインはそもそもの目的が違っており、優劣ではありません。ヴィンテージワインは「その年の個性を表現したワイン」で、毎年味が異なって当然のもの。一方NVは「常に一定のクオリティを保てるようにブレンドされた」ワインのことで、そのワイナリーが目指すスタイルを最もよく表現する存在です。

ヴィンテージの方が価格が高くなる傾向があるためNVはしばしばエントリー向けと思われがちですが、ワイナリーのスタイルを表現するいわば「顔」ともいえる商品。バランスがよく、コストパフォーマンスに優れた名品が多いんです!

 上級者向けには「実は生産者の意図を知るのに最適」な商品ともいえるのです。

 

最後に、おすすめのNVスパークリングワインをご紹介していきます。

誰もが知っている銘柄から、知っているとちょっとカッコイイ銘柄までさまざまご紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

 

おすすめのNVスパークリング5選!

シャンドン・ブリュット NV

かの有名なモエ・エ・シャンドン社がオーストラリアで造るスパークリングワイン。華やかなレモンの花やジャスミン、白桃の香り。スパイスとナッツの香りも合わさり、クリーミーでフレッシュな飲み心地。フレッシュさと繊細な果実味、バランスの良いクリーミーな味わいです。

 

 クネ・カバ・ブリュット・メトード トラディショナル NV

 

スペインの名門、C.V.N.E. 社が手掛けるスパークリングワイン。会社名の「CVNE」を誤って印刷会社が「CUNE」とミス印刷した際、創設者がこれを見て大変気に入り、そのまま商品名になったというクスっと笑える歴史を持つワインです。

柑橘系のフレッシュな酸味と、きめ細やかな柔らかい泡。ミディアムボディで力強さも感じられつつ、ミネラルを感じる長い余韻がありバランスの取れた味わいです。

 

 フレシネ イタリアン ロゼ

 

イタリアのプロセッコと呼ばれるフレッシュなスパークリング。やや辛口のロゼで、赤い果実や白い花、熟したリンゴを思わせるエレガントな香り。たっぷりとした果実味と軽やかな酸で、さまざまな食事に合わせやすいロゼスパークリングです。キラキラのボトルも印象的。

 

 ウ・メス・ウ・ファン・トレス・ブリュット

 

ブドウの一番絞り果汁しか使わないこだわりのカバ(スペインの伝統製法スパークリングワイン)。「この世のものではないような、言葉では表現できないような幻想的なカバ」と生産者が語るように、「1+1=2」ではなく「1+1=3」となるような、「従来のものとは次元が異なるワイン」を目指して造られました。柑橘系のフレッシュさと、蜂蜜のようなコクと香ばしさ。飽きのこない高コスパワインです。

 

 マンズワイン酵母の泡 甲州 セック

 

日本固有品種のブドウ「甲州」を使った、日本の食卓に寄り添う本格スパークリングワイン。日本食に合う繊細さを持ち、「日本の食事には日本のワイン」と実感できるワインです。やや辛口(セック)で、甘くないけどやさしい味わい。やまとなでしこのような上品なスパークリングワインです。

 

 まとめ

今回はスパークリングワインの「NV」とは何か?についてご紹介しました。ワインの「ヴィンテージ」とは何か、ヴィンテージワインとNVとの違いについて書いてきました。同じ生産者のNVとヴィンテージの飲み比べや、銘柄別のNVを比較するなどしてみると、一層面白い経験が得られるはず。ぜひ一歩進んだワイン体験を楽しんでみてくださいね。

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