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注目度急上昇の「日本ワイン」、産地や特徴を徹底解説

注目度急上昇の「日本ワイン」、産地や特徴を徹底解説

近年、「日本ワイン」が世界のワイン愛好家から注目を集めています。 品質に対する評価も高まっており、世界最大のワインコンペティション「DWWA 2022」では大分県の『安心院ワイン 諸矢 甲州 2021』が最高評価のプラチナ賞を受賞したことも話題になりました。 

この記事では、海外への輸出量も年々増えてきており、今後さらに人気が高まっていくであろう日本ワインの特徴や魅力について解説していきます。

ワイン好きにはぜひ一度は飲んでいただきたい、おすすめ日本ワインもご紹介します!

日本ワインとは?国産ワインとの違い

「日本ワイン」は文字通り日本で造られたワインです。しかしそれだけではなく、同じように見える「国産ワイン」とは、実はワイン法によって明確な線引きがされています。

 

「日本ワイン」とは国産ブドウ100%を使用し、日本国内で醸造されたワインを指します。対して「国産ワイン」とは、海外から輸入されたブドウや濃縮果汁を使用し、国内で醸造されたワインを指します。

つまり、日本で醸造されていたとしても少しでも海外のブドウを使用していれば「日本ワイン」を名乗ることはできず、「国産ワイン」となるのです。 

かつてこれらの基準はあいまいでしたが、2018年に日本でもワイン法が適用されたことにより明確化されました。100%国産ブドウ使用の規定は少し厳しくも聞こえますが、そのおかげで現在の「日本ワイン」のブランド化に繋がったといえるでしょう。 

日本ワインに関する規定はほかにもあり、「特定の地域で育てたブドウを85%以上使用した場合は、産地名(例えば「塩尻」など)をラベルに記載できます。ぜひワインを選ぶ際の参考にしてみてください。

日本ワインの歴史

日本ワインは世界的にみても歴史はまだ浅く、「新世界」と呼ばれるチリやアメリカなどと比べても非常に新しいといえます。本格的なワインづくりは、今から約140年前の明治時代に山梨県から始まりました。 

当時はまだ一般的には流通しておらず、生産と消費が増え始めたのは、それよりもっと後の東京オリンピックや大阪万博、高度経済成長がきっかけとなった1960年代~80年代です。ちなみに、万博の影響でワイン消費量が一気に伸長した1973年は「ワイン元年」と呼ばれています。 

近年は「産地の個性を重要視する」世界的傾向にフィットしたことと、さらに和食ブームにともない料理に合う「日本ワイン」の人気が急上昇しています。一部の国では醸造用ブドウの苗木が品薄になるなどの日本ワインブームが訪れており、今後も注目度が高まっていくとみられています。

日本の4大ワイン生産地

日本は降水量が多く1日の気温差が小さいため、ワイン用ブドウの生産に適した環境とはいえませんでした。しかし、日本の風土に合う品種の改良、栽培技術の向上により、現在では世界的に高評価を獲得するワインが多く生産されるようになりました。 

2022年時点では400を越えるワイナリーが日本全国に存在しており、あらゆる場所でワインづくりが行われています。最近では2022年6月に奈良県に木谷ワインができたことで、日本全国でワイナリーがない県は佐賀県だけとなりました。そんな日本のワイン生産地の中でも、代表的な4大産地をご紹介していきます。

山梨県

日本ワインの生産量・ワイナリー数ともに日本随一であり、日本を代表するワイン産地として国内外に知られています。日本で一番栽培されているワイン用品種、甲州種の約93%が山梨県で生産されています。 

山梨ワインの中心といえるのは、甲州市勝沼町。勝沼醸造、マンズワイン勝沼ワイナリー、フジッコワイナリー、グレイスワインなど数々の有名ワイナリーがひしめく激戦区です。甲州ブドウの発祥地としても有名です。
他に、新しいワイナリーの増加で注目が高まる甲州市塩山地区、マスカット・ベーリーAなどの赤ワインで有名な韮崎市穂坂町、日本一日照時間があるといわれる北斗市などもワイン生産がさかんです。

長野県

朝晩の気温差が大きく、降水量が比較的少なめというワインづくりに適した気候が特徴。国際品種から土着品種まで広く栽培されています。特にヨーロッパ系品種の栽培に適しており、メルロやシャルドネなど人気品種の生産量は日本一です。また、アメリカ系品種の赤ワイン用ブドウコンコードや、白ワイン用ブドウのナイアガラも有名で、この2品種で長野県のブドウ栽培面積の48%を占めています。 

「信州ワインバレー構想」というヨーロッパを参考にした原産地呼称の保護に努めており、シャトー・メルシャン桔梗ヶ原ワイナリー井筒ワインといった有名ワイナリーのある桔梗ヶ原ワインバレー、長野県のワイナリーのうち半数以上が集まる千曲川ワインバレーなどがあります。

北海道

本州に比べて湿度と気温が低いので、ブドウ栽培に非常に適した地となっています。ナイアガラやキャンベル・アーリーなど寒さに強い品種の栽培がさかんで、栽培が難しいといわれるピノ・ノワールの栽培面積が急速に広がっていることでも知られています。寒冷地でも栽培できるよう開発された「山幸(やまさち)」という北海道特有の品種は、2020年に国際ブドウ・ワイン機構(O.I.V)に品種登録されました。 

ピノ・ノワールやソーヴィニヨン・ブランの栽培面積が増える空知地方、栽培面積・ワイナリー数ともに道内一の後志地方がワイン産地として有名です。

山形県

夏と秋以降の寒暖差が大きく、果樹栽培に適しており質の高いブドウが収穫されます。マスカット・ベーリーA、デラウェア、メルロ、ナイヤガラ、シャルドネなど、国際品種から土着品種まで広く栽培されています。2021年に日本の原産地呼称「G.I.山形」を取得しました。

高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンを生産する上山市、デラウェアとシャルドネの生産量が全国1位の高畠町、マスカット・ベーリーAを11月中旬に“遅摘み”するという異例の栽培方法を採用する朝日町などが有名。

日本固有のブドウ品種は?

実は、日本固有のワイン向けのブドウ品種はそれほど多くありません。現在栽培されているブドウの多くは海外から持ち込まれたものなのです。 

日本固有の品種としてはマスカット・ベーリーA、ブラック・クイーン、ヤマブドウ、甲州・山幸などがあります。
その中でも、甲州・マスカット・ベーリーA・山幸はOIV(国際ブドウ・ワイン機構)に品種登録されており、日本を代表する3品種となっています。 

固有品種以外にはシャルドネ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、ソーヴィニヨン・ブラン、アルバリーニョなどヨーロッパ系品種の栽培も多く、交配品種や野生ブドウなどさまざまなワイン用ブドウが栽培されています。 また、現在は栽培や醸造の技術向上に伴い、日本では栽培が難しいと言われていた海外の品種が少しずつ各地で栽培されるようになっています。新たな品種でつくられた高品質な銘柄が続々と生まれてくるとみられ、今後の動向に注目が集まっています。

おすすめ日本ワイン5選

【赤】

岩の原ワイン 深雪花(主体品種:マスカット・ベーリーA) 

 

 

酒造元は「日本ワインぶどうの父」と呼ばれる川上善兵衛が新潟県で開設した、130年の歴史をもつ岩の原葡萄園。「深雪花」は完熟したマスカット・ベーリーAを厳選して醸造した名品です。じっくりと熟成させたまろやかさが特徴。日本や世界で数々の賞を受賞しています。

 

サントリー登美の丘ワイナリー 登美の丘 赤(主体品種:メルロー)

山梨県甲斐市の登美ヶ丘ワイナリーを代表する1本。カシスなどの黒系果実の豊かな香りと樽香がバランスよく感じられます。柔らかな渋みと果実味が感じられ、口あたりが柔らかく、どんな料理にも合わせやすいです。過去に2015年ヴィンテージがANAの国際線ファーストクラスで提供されるワインに選ばれています。

 

【白】

グランポレール 山梨甲州 樽発酵 (主体品種:甲州)

 

 

甲州の華やかなアロマと樽発酵による柔らかな樽香の絶妙なハーモニー。しっかりした酸味と辛口ながら後口に果実由来の甘さを感じさせるワインです。お刺身や天ぷらなど和食によく合います。

 

北海道ワイン おたる ナイヤガラ(主体品種:ナイヤガラ)

 

冷涼な気候が作り出す爽やかな香りと甘みをもった、生食用葡萄の風味がそのまま味わえるフルーティーで親しみやすい味わい。アルコール度数は10%と低めで、やや甘口なワインです。北海道を代表するワインとして定番で大人気の1本です。

 

【スパークリングワイン】

マンズワイン  酵母の泡 セックキューブクローズ(主体品種:甲州)

 

山梨県甲州市のマンズワインが手掛ける日本を代表する本格スパークリング。伊勢志摩サミットでももてなされ話題になりました。甲州種特有の上品な香りと酵母の旨味、きめ細かく滑らかな泡立ちが特長です。飲み飽きない優しい口当たりで、料理に寄り添い味を引き立てます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。日本ワインはまだまだ歴史が新しいからこそ、今後ますますの発展が期待できます。和食だけでなくフランス料理とも相性の良い銘柄年々生まれており、多様な個性が感じられるバリエーションの豊富さも魅力です。

皆さんも、ぜひお気に入りの日本ワインを探してみてください!

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